2012年12月14日金曜日

NEO TOKYOカスタム。

RODショーと並行して地道にやってたコイツ。
これも完成でゴザイマス。


オーナーのN君の提案。
「第2次大戦の米海軍機の様なペイントが好みです」
「シャークマウスとか入ってるとコーフンします」
なるほど、ね。

ではワタシから。
「車体がまぁいい感じでヤレてるから(初期エボスポ)
綺麗にペイントより合わせてダメージの方がよくない?
WWⅡ時代のレシプロがコンセプトだし」

オーナーN君
「あ、合わなかったら入れなくていいんですけど
アキラが好きなのでどこかにNEO TOKYOって入れたらおかしくなります?」

ワタシ
「いやいや、キミの車体だからどんどん盛り込んでみて。
どーしても雰囲気壊すようならワタシがSTOPかけるから(笑)」

そんな感じでオーナーのN君とおおいに遊んで決めていったコンセプトw

以前雑誌連載でやったアレ、あれをもう一度。
エイジングしてシャークマウス描いてそれも擦って
上から鉄板描いてリベットも描き込む。
今回は前のBUELLよりも更に小さい3㎜シール使ってみた。
BUELLよりも時間の余裕があるので、ね(笑)
しかし1300個入りのシール買ってきて
「そんなにゃあ使わんだろ」と思ってたのだが、
いざタンク・前後フェンダーでちまちまやったら
1100個近く使ってた(苦笑)
貼って上からエアブラシで黒吹いたら剥がすという
モーレツにちまい作業の世界。。。。

奈良のチキチキVMXに遠征に行く魚肉クルー撮影。
愉しそうなクルーを横目に
「いってらっしゃい」と黙々とシールを貼るワタシ。
完全にひきこもりのおっさん。
後ろにぶら下がってるのはエキモのRODショーのタンク。
完璧に仕事に追われている様子が伺える。。。


最終の組み付けは遊びに来てたエイジ君にも手伝ってもらった。
一人ではかなりしんどい作業だったから助かったデス。


こんなカンジに仕上がりましたとさ。
今回やったのは完全にペイントのみ。
でもここまで雰囲気変わるのもペイントの持つ魅力。

フロントフェンダーにNAVYのイエローとチェッカーを。
適当に苛めてダメージ与えてます。

シャークマウスは敢えて海軍機のパターン離れて
P40やP38 の様な重厚なヤツ入れてみました。
汚しと鉄板とリベット入れる予定だったので
マウスの縁も定番の黒でなく赤にしてみた。
まぁリベットや鉄板を引き立たせる魂胆です。



タンク上は例のBUELLでもやったのに
誌面の都合上ちっとも取り上げて貰えなかったので
N君の車体で再び再現の機体番号190-0022。
ウチのお店の郵便番号っすw
因みにN君もウチから歩いて10分圏内で
やはりコードネーム190-0022っすw
この機体がどこかに不時着や鹵獲(ろかく)されたとしても
郵便屋さんが立川まで届けてくれるのだ!!
切手代が幾らになるのかは知らん。
車体中に貼ってもまだ足りんだろうて。
そんなやりとりはN君と郵便局でやる事でワタシぁ知らん。
コードネーム万歳(笑)


機体ネーム「The DARK MATTER」。
N君の提案。
カッチョいいんでないの♪


「アキラ」のNEO TOKYOはそれっぽく殴り書き風で入れてみた。
あとネオトーキョーで仮想空間なので
もしこのまま立川に基地が残ってたら、ってのも面白かったので
TACHIKAWA AIR BASEと足してみた。
こうしてオーナーとワタシで話を紡ぎ出していくのも
カスタムペイントの醍醐味だと思う。
只塗るだけなら他でも出来る。
折角ワタシの元でペイントを、となったのであれば
オーナーとワタシで徹底的にイメージ遊びして
それを具現化出来れば尚愉しいはずです。

元から付いてたマフラーもこのままで車体に合ってるし
チョッパーには珍しいルーカステールも
このペイントだと連合軍っぽくて(英国)
むしろまんま、の方がマッチしてていいでしょう。
あとは少しハイテクっぽいライザーとかハンドル廻り、
ウィンカーとかヘッドライトとかステップといった小物、
そして各種あちこち遊んでいけばもっとカッコ良くなるでしょう。
一気にローン組んでもらってこっちでやっちゃえば
確かに雑誌映えする車体になるのでしょうけど
それだとオーナーがじきにつまらなくなっちゃいますから
こうして今後何年も弄ってあれこれ悩んで愉しめる方が
本来の愉しむカスタムなんじゃないか?と思いますデス。
N君、今後もコイツで皆で愉しく乗って弄って遊んでいこう♪
そしてペイントご用命&納車時の差し入れ、ありがとうデス!!







納品後何年か経てラインの上からクリアコートして欲しいというご依頼。
まんま上からクリアかけるワケにはいかないので
一度描いたラインはペーパーで全て除去となります。
何故ならクリアコートするにあたって全面足付けし直しだからです。

比較的塗面のコンディション良好だったので
これで再びライン引いてからクリアコートとなりますが、
いかんせん明色だと小傷に入り込んだ「スミ(汚れ)」が完全に取れず
少しクリアの下にスミが残ってしまいます。
黒なら何も問題ないんですけどね。
明色の場合は或いはオールペンした方が気持ちいいかも。




今月のメインな連中。
お預かりの時点でヤヴァそうな匂いプンプンw
神田川チェリーボーイズでVMXにも参戦中のS氏のタンク。
LOCにも果敢に参戦中のMOTORサイコな方ですが
かなりご自身でDIYも愉しまれている方。
自分の愛車のちょい古メルセデスも自分で塗っちゃいます。
で、LOC参戦の愛機BMWもご自身で何度もDIYされておりましたが

今年の秋のレースでこんなコトになっちゃったので
遂にプロにご依頼と相成りました。
画像by:RACING PHOTO LOOP
因みに彼は無傷でございました。
だからこそ掲載出来るのです。
でもホントご無事で何より。

さぁ、剥いてみっか。
もうキミがパテだらけなのは明白だ。
スラッシュタンクを何本も塗ってきたからすぐに察したのだが
明らかにタンク上のウエイトが重い(笑)

むひょ~~~
上面と前面が全部パテで出来ていたw


もう1台デススメル満開のGUZZI。
こちらはRITMOの46氏が若かりし頃乗っていたという車体。
今の彼なら絶対買わないであろう外装の可笑しさが満載w
そう、ワタシ達も若い頃にはいっぱい失敗したのだ。
だから今多少の「目利き」が出来る様になったのだ。
若いってそんなモンだ(笑)
しかし思い入れのある1台でもある。
だから今、それなりに技術が身に付いたナイスミドル世代になった時
ちゃんとさせてみようというプロジェクトなのだ。
と、勝手に解釈しつつ剥いてみるw
まぁ理解ってはいたが
若さ故のその代償に現在のおっさん、たじろぐ(笑)

注※決して若き日の46氏がやったものではない。
買ったGUZZIのタンクが初めからこうだったのですよ。

パテ、超ドカ盛り。

タンク後ろの形状もこんなの珍しいな、と思ったら


袋状の鉄板を天付け溶接して足しただけ。
ガソリン容量全く変わらず(笑)
でもってその段差はパテ盛り盛り。
間違いねぇ、これはメリケンの仕事だ。
日本人にこんな発想は無ぇw


2台を必死で剥いてたら
ブースがいつも以上に腐海の森になっていた。
どこ歩いても地面がマッフマフしてる。。。。


ちりとりに収まりきらんかった(苦笑)
この2台、頑張って年内には仕上げます。

久々に入ってきた現行車のノーマルタンク。
TWでゴザイマス。
TWのノーマル塗ったのって10年くらい無いっす。
やっぱり現行、下地が超楽♪
VINCENT11台塗っててTW無いっておかしいと自分でも思う。
「現行来ないなー、ウチ。入庫しなかなぁ~」
人間、願っていれば叶うものでゴザイマスw

こちら、実はワタシのジャイロ観てカラーリング気に入ったというコトで
ご依頼戴いたのです。
そしてこちらのオーナーとも少々遊び心を打ち合わせ。
タンクの上にちょこっと入れる予定です。
画像ではブルーブルーしてますが
実物は少しビリジアンっぽい(緑っぽい)ブルーです。
下地に白塗ってから上色被せる
この色はソリッドに観えて実はキャンディなんです。
ウチのジャイロ観たコトある方なら理解ると思うんですが
あの全方位から観てもあの色っていうPOP感は
普通のソリッドペイントだと斜め方向にフリップ(屈折)が入ってしまい
色味が変わってしまうのです。
これを無くすのがソリッドなんだけどキャンディという手法です。
実はジャイロは結構手間かかってるんですわ(笑)

KAWASAKIのMACHシリーズの赤とブルーがそれです。
あれ、ベタ赤やベタ青でなくてわざわざキャンディです。
下が白だからベタに観えるんですけど
マッハのタンクってどっから観てもフリップしません。

ジャイロと同じ手法でフリップ無しのPOP感を仕込みます。
ただ、ジャイロよりは車体が大物なので
ジャイロより色味は強めにしました。


他にも多々お仕事ありやす。
皆様、ありがたう、ありがたう。
何本か年内仕上げに向けて頑張らせて戴きます。