2013年9月5日木曜日

独創的カスタム2種。

仕事もしてたんだよ、という記録をちゃんと掲載しないと
「んだよ、あいつは忙しいの魚肉と遊びだけじゃん」と言われかねないので
ここ8月に仕上がった独創的カスタムの様子も挙げときます。


最後は確かこんなあられもないペイントで終わってた気がする
何とMOTO GUZZI V50外装一式ペイント依頼。
このままでは武丸さんにハンチクにされてしまいそうな
ものの見事な旧車〇です。

勿論、ここからアレンジしていきます。

物凄ぇ男気溢れる愚連隊か右寄りの方が乗ってそうですが
オーナーはこんなユニットにも参加している淑女デス。

これにブラウン・カッパー系のキャンディかけて
旭日のエンドをブラックでFADE OUTさせます。


「ちょっとアフリカの大地の豊かな香りもしますね」
オーナーH嬢、談。
大丈夫です。
ちゃんとジャパネスクに最後は着地する予定です。
心~配~ないさ~~~♪
因みにワタクシMUNEはミュージカルは嫌い。
セリフの中で唄う意味が全く理解んねw

「タンク上に浮世絵の女性欲しい」だったので
さんざん考えて色つき箔とエナメルで歌麿呂の作風を。
この浮世絵ってのはラインがシンプルだから実際描くと難しいね。
顔のライン貼り出しても凹んでも全然この「美」が出ない。
瞳の位置とか大きさなんかも1㎜違うと別人だし
髪の生え際の細筆が一番気を遣ったかもしれない。
箔は動きが欲しくて敢えて泡立った立体感欲しくて
ワニスで色々試してやってみたです。

本来立体感の無い浮世絵に
ちょっとだけ着物の「動き」を与えられた気がします。
「宗正筆にしちゃえばいいのに」とオーナーのH嬢に言われましたが
流石に日本の巨匠のネームを外す事は出来ませぬ。
ちゃんと歌麿呂筆、でクレジット。

金粉載せで描いてみたカメ様。
色違い金沢箔を使って何とか形になりました。

色違い箔は少々暗い照明の方が差が出ます。
こちらにはウチの屋号いれさせてもらいやした。

あー、ボケてます。疲れてんだなぁw
これ入れると急に風水画っぽくなるから朱印っていいすね。
因みに極細文字なので毛筆をナイフで減らして
磯野波平の頭皮レベルの超極細筆で描き書きw

反対側はオーダーのあった富士山を。
北斎の「赤富士」でいかせて戴きやした。
フレークの上にキャンディで描いてます。

最近こういうステンドグラス調のヤツが多いです。
ワタシは何に挑戦し続けているのでせうか?
何故もっとEasyなレースペイントとかしないんでしょうか?

手間が掛る分、このきらめきが救われます。
北斎の名画をこういう風にやっていいのか否かは考えないようにします。

思えばケンタのこの車体にこれを描いた辺りから
ワタシの偽ステンドグラス人生が始まった気がします。
マリア様にガスマスク装着させちゃったから
きっとバチが当たったんだと思います。

というコトで全ての外装の最終トップコートも終わり

諸外国の方から猛烈な批判を喰らう前に

さっさと組み付け先のよこっつの所へ持ち込みます。
後は頼みましたw

これで手元から離れた、と喜んでいたら
オーナーのH嬢がカチ込みにやってきました。
殺されるのかと思ってビクビクしましたが
どうやら大変満足されたようです。
お褒めに預かり光栄しきりです。
世界で一つの「傾き者」、
末永く愛してやってくださいまし♪


車体ごと6月よりお預かりしていたMach。
イノウエのロケット、Serectのシートカウル、BEETのフェンダー、
極めつけに赤黄のマルゾッキのリアサスと
これまた武丸さんにハンチクにされそうな車体。
しかしそれらを全部逆手に取ってまるで違う着地点に持って行こう、が
今回オーナーのK氏とディスカッションした内容。
では手始めにシートカウルにスズメバチでも描きましょう

筆でちまちまと描く事、片側3時間半。
反対側も描かなくてはいけません。
また時間の掛る修羅の道を行くワタシ。。。。

スズメバチも描き終わって乾いたので
後ろにアクセント入れます。

ブシューっと先ず白入れて縁取りマスキングして赤入れて

全てのマスキング剥がせば稲妻の出来上がり。
因みにこのスズメバチ、
空母イントレピッドに所属していたスカイレイダー機に描かれていたもの。
太平洋艦隊所属だったので空手チョップ体勢なのです。

タンクの方にスズメバチの身体と同色のイエローと稲妻と同色の赤入れて
こっちも同じく白の縁取り入れて
KAWASAKIの文字は勿論旧体ロゴの方で。
タンクの形状からH2の時代のロゴでいきましょうかね。
こっちも白の縁取りしてから中はブラックで。
タンク上は戦闘機だから遮光目的で艶消しブラックね。

うん、いいでしょ♪

一旦ここでクリアコートして段差消し。

後日砥ぎ上げて平らにしてから鉄板のつなぎ目を描いていきます。
ずれて貼り合わされているのが実際なので
こうしてマスキングテープで1マスずつエアブラシで描いていきます。
結構地味な作業です(苦笑)

鉄板描き終わったらあちこち適度に汚して
実際の鉄板に近づけていきます。

こんな感じですね。

これもまた需要な作業ですが地味な作業です(苦笑)

サイドカバーやフロントフェンダーにも勿論細工を入れます。

因みにエアブラシ入れないバージョンはこんな感じです。
のっぺりしたブリキの玩具っぽい感じですね。
敢えて玩具風にするのであればこのままがベストとも言えます。

「汚し」が入るとこんな感じになります。
見た目の差はかなりありますね。

何とか8月中に完成に漕ぎ着けました。

先に紹介したMOTO GUZZIもこのMachも
賛否両論非常に分かれるカスタムだと思います。
でもウチははなっから賛の嵐みたいなモノはやる気もないので
ワタシはオーナーと話し合った末に漕ぎ着けた
ワタシら2人の間ではどちらもベスト尽くした大成功だと思っております。
「おいおい、こんなんアリなのかよ」と思われそうなギリギリのヤツを
「ワタシの愛車ですが、何か?」と乗っちゃうその感覚こそが
本当の意味での自由なカスタムだと思うので(笑)

因みにワタシのドカ、あれも世界中では「超」賛否両論です。
「素晴らしく独創性で自由なスタイルだ」という意見と
「オリジナルを冒涜するとはこの事だ」という意見。
どうでもいいです、他人の評価なんざ。
オリジナルの素晴らしさは十分に承知です。
でなければレストアペインターという半分の顔が成り立ちません。
でも自分の車体だし自由に表現したい、が叶えられるのもペイント。
ワタシだってブラフシューペリアとかパトンのレーサーとか持ち込まれて
好き放題にカスタムペイントしたいと言われればまぁ断りますよ(笑)
何でもかんでも傾いてればいい、っちゅうモンでも無いワケです。
どちらもそれぞれの目的。ただそれだけです。

余談ですがそんなワタシのドカの意見の中で
「日本人がイタリアのモーターサイクルで中南米やアフリカのスキーム。
この脈絡の無さだけが理解出来ない」
これだけはそうだね、で素直に謝りました(笑)
でもその後その外国の方から
「しかしお前はそんな中南米・アフリカを未開の文明と括らず
凄くリスペクトしてるのは理解るよ」
と再度コメントもらったのは正直嬉しかったのは本音ですw

そんな自由な表現で彩られたカフェがいても
まぁいいじゃないですか、ってコトで♪
これからもオリジナル・カスタムどちらも魅力溢れる車体が
この路上で増えていくお手伝いが出来ればワタシはシアワセ、ですw

この他にもレストアペイントではMV AGUSTAやNORTON、
MOTO GUZZIにBMW多数にMATCHLESS、
KAWASAKIのGPZにメットが2個、
9月よりBMW2台追加にアンバサダー、GSX-Rにドカ単にMANXも加わります。

正直、超絶手一杯ですが
こんなにもバラエティに富んだ車輛に関われる事を
本当に有難く思っております。
で、先の怪電波でも書きましたが
そんな感じで目一杯押し込まれてるので
もう一般ユーザーの方の作業枠は12月までは無さそうなんです。
もう1回謝っておきます、ホントすみません(泣)