2015年4月11日土曜日

JOINTS。

12日日曜日に迫ってきたJOINTS。
今年は山口輪業さんとエキセントリックモーターサイクルさんの車体をペイントです。


先ずはやまりんさん。
ドロップスタイルのままダートなイメージのカフェを制作との事。
んでは、とカラーリングのアイデアをご提案。
それでやってみましょ。

イメージとしては往年のカワサキオフロード、バイソンのスキーム。
KAWASAKIロゴも初期ロゴでいきましょうかね。

オーナーさんはアメ車も大好きだという事なので
KAWASAKI Meets Moparみたいな感じでいきましょうか。
という事でMOPARのアイコン、ストロボラインも入れちゃいます(笑)

やまりんさんは現在までポップなカラーリングのカスタム車が多いので
こちらもオレンジに混ぜ物ほぼ入れずに発色良くしてみます。
黒とオレンジだけのシンプルなカラーリングなので
このオレンジの発色も際立つと思います。

タンク下はフレームとの干渉防ぐ為に大幅な叩きと切り貼りされていましたので
この独特な下部の丸みがストロボラインを面白く見せてくれる結果になりましたね。

カラーリングをシンプルにまとめたので、ここで遊んでみます。
本来どうやって隠そうと必死になる事の多いホーン。
折角MOPARですからね、Beepホーンにしてみます(笑)
ホーンは小さいし鳴らなきゃ意味がないので
実はマスキングめんどくさいんですが、塗ればかなりアイポントとして効果あります。
皆さんもここ、遊んでみませんか?

仕上がりと同時に深夜ですが納品に向かいます。
何故ならぐっさんもどうせJOINTS1週間前で寝ずに作業しているからです。
そしてワタシも同じだからです(笑)
でもって深夜は道が空いてて快適なのでステキです。
人とリズムがどうしようもなくずれている事には触れずにお願いしますw

案の定ぐっさん起きて作業してましたw
バフ掛けしてたようで全身黒いです。。。。
ペイントご満足戴けました、あざっす♪
ぐっさん今夜も完徹、でしょ?
メシ食いに行こう!!倒れるから!!!

残りの作業を頑張る為に栄養補給を夜中2時に接種するおっさん2人。
ぐっさん、残り頑張ってくださいな。

そんな山口輪業の250TR。
完成の姿はJOINTSかその後で。




お次はエキモさんの2台。
先ずはこのアルミタンクのヤツから参ります。
これ、叩き出しのワンオフです。
初見リタマンクスとアグスタタンクの2個1かと思ってました。
驚きです。

オーナー様が直接ペイントの内容確認でウチにご来店。
ある意味驚愕のオーダーを戴く。
「ホントはバフ掛けフィニッシュにして塗りたくないんですよね」
な、なるほど(笑)
だからせめて側面バフは残して、どうしても凹凸のある他をペイントで、というオーダー。

職人さんが1から手叩きで、というのは凄い技術です。
それは間違いない。
ただ、それをまんまペイントというワケにはいかない。
照り輝くバフ掛けでしたらそこまで目立たないハンマリングの凹凸が
ペイントとなると物凄く目立ってしまうのです。
全部ペイントしてしまうのでしたら簡単です。
総パテ入れて平滑に砥いで鏡面を造ってあげればいい。
でも今回側面はバフ残しです。
非常に細かい凹凸取りの作業が必要とされます。
しかも本来は塗りたくなかったというオーダー(笑)
いいでしょう、それもお望み最大限叶えますよ。

凹凸を滑らかにするにはサフェーサーの厚みが必要。
でもそうするとバフ面とサフェの境界線が物凄い段差になります。
これでは見た目がガビガビで全く美しくありません。

出来るだけサフェーサーを薄く砥いで段差を無くしておかなければなりません。
上にシルバーのペイントも乗るので尚更です。
しかし、バフ面には一切の砥ぎ傷を付けてはなりません。
神経を摩耗する研磨が続きます。

保護材のマスキングテープ痛み具合を1砥ぎ1砥ぎ毎に目視で確認しつつ
じっくりと丁寧に、しかし大胆に砥いでバフとサフェの「落差」を無くしていきます。

何度もマスキングテープを剥がして確認します。
うん、こんなモンかな。
これなら理想のフィニッシュになるでしょう。
これを左右全部に施します。

「KAWASAKIのロゴをTRIUMPH風にして欲しいです」
という今回のタンクのオーダー。
文字がトラに比べて長いのでデザインに悩みます。
同時進行でぐっさんところの旧体KAWASAKIロゴと
エキモのもう1台のHONDAロゴも起こしてます。
頭の中が色々大変になります(苦笑)

作業工程はしょってますが、
もう既にシルバーは塗ってあります。
寸分違わずバフ面をきっちりマスキングしてシルバーを塗り、
マスキングを剥がしてバフ面ごとクリアコートです。
そしてその段差を砥いで無くしてある段階です。
文字で書くと簡単ですが、段差無くしのクリアコートで9コート近く吹いてますw

KAWASAKIロゴは悩んだ末にこの大きさ・デザインに。

反対側はオーナーさんの希望でフライングKで。

KAWASAKIはシンプルに黒1色。

フライングKは焼き付け箔で。
そしてバフ面とペイント面の境界線やこのフライングKは縁取り無しで。
筆の醸し出す人間の暖かさを敢えて無しにします。

完成するとこんな感じになります。
要はペイントをペイントと見せないような感じ(言ってて変w)。
材質同士のメタルコンシャスをイメージさせてもらいました。

全てが材質にみえるように。
バフ面の上に箔が浮いてみえるように。
ペイント面とバフ面が同じ位置まで来ることによって
どっちが後ろでどっちが前か見て理解んないようにする事によって
逆説的ですが奥行というか立体感が出てくると思うのです。

だから敢えて人の温もりがでてしまう筆作業を一切排除。
曖昧さの無良い意味で冷酷な境界線だけで構成されてる狙いです。

ペイントしたくなかった願望を敢えてシルバー2色で。
黒っぽい材質と白っぽい材質を表現してみました。
因みにくろっぽいシルバーは本物のNORTON MANXのシルバーと同じ調色です。
こちらもピンストとかのライン入れ敢えてナシで。


残るはあと1台!!
こちらはオーナーさんがグラフィックでイメージ刷ってきてくれたので
ほぼその通りに仕上げていきます。
先ずはシルバーにゴールド。
同じシルバーでもこっちは明るい白っぽいものをチョイス。

これ、まだ途中段階ですがこれでもかわいーねー♪
とか余計な事を考えつつ進めて参ります(笑)

ぽってりと厚みのあるゴールドペイントだった上のHONDA。
あのゴールドはこのロゴの縁取りだったのですね。

この先に塗ったゴールドから寸分違わずずれないように
慎重にテープで貼って位置を合わせます。

裏にカーボン紙貼り付けてあるのでなぞって転写します。
そして捲って位置を最終確認。
1㎜あるかないかの縁取りなので、この時点でずれている個所は
最後のアートナイフで切りながら調整していきます。

うん、いいんじゃないでしょうか。
これを反対側も施します。当たり前ですね(笑)

最後の1色、黒を吹いてマスキングを剥がせば現れます、完成形♪
何十年この仕事やってますがこの時間のドキドキ感はたまらんですw

こちらはバキバキに艶ありではなく
程よくヤレた艶引け加減で(傷やクラックはいらない)とのオーダーでしたので
これ位の艶加減でフィニッシュ。
とはいっても段差は無いです。
全部段差取ってから最後のクリアでニュアンス調整します。

オーナーが自らデザインしてきたロゴ、可愛いですね♪

こんな感じの程良い艶引け加減です。

早速エキモに納品。
ん?何この旗の群れ。運動会でもやってたん?ケンタw

完成したこのソフテイルユーロチョッパー。
正直ヤヴァいです、佇まい♪
ネックも伸ばしてソフテイルにもなっているのに
ロングのアルミタンクが凄くマッチしている。
シートカウルなんかドラッグイメージなのに破たんしてない。
凄く新しい形の今後の提案になるんじゃないでしょうか?
ペイントもメタルコンシャスに拘って本当に正解でした♪

そんなエキモはこの3台を出展。
昨年末のロッドショーにも出たディガーと奥のCBとWの3台ですね。
ケンタ、あと少し頑張ってください♪


ワタシは当日早朝からバイクで名古屋行きます。
で、日のある15時くらいに東京目指して退散しますんで
現地でお会いした時は皆さまお声をお掛けくださいまし♪
というか久々のまぁまぁの距離のツーリング、
そっちも愉しみだったりします(笑)